補助輪つけてると簡単&安心だけど、外さないともっと速く自由には走れないんですよね。
「うまく声が出ない…」ってどんな状態?
歌うときにうまく声が出せない時、その多くは
喉の中にある“音を作る器官(=声帯やその周辺)”ではなく、舌・首・顎など、外側のパーツたちを過度に使って、無理やり空気の量をコントロールしようとしているせいだったりします。
この「代わりに頑張ってしまう筋肉たち」が働きすぎてるせいで、声帯は本来の能力の数パーセントしか出せない状態になってしまい、発声時もめちゃくちゃ負荷が高くなって声を出すのが難しくなってしまってるんです。

だからこそ「声帯に主役を返す」ことが大切
多くの人は、声を出すときに無意識に首やアゴ、舌などの筋肉を使って発声時の空気量や声帯の閉じをコントロールしようとしてしまいます。
これが声帯本来の持つ働きを阻害している最大の要因なんです。
なのでまずは、これらの“手助けしすぎるパーツ”を黙らせ、声帯自体がフル稼働して声を作る感覚を思い出させる(無い人は作り出す)ことが自由な発声への第一歩になります。
お試し分離トレーニング【舌編】
🔧内容
- 舌を「あっかんべー」と、しっかりと口の外に出します。
- 舌を出した状態で「えー」という言葉で、**裏声・地声・ささやき声**など、いろいろな声を出していきます。
このとき、首や顎が固まらないよう軽く左右に振り続けながら声を出してみましょう。
「いやいや~><」みたいな感じで振ってみて下さい。ゆっくりで大丈夫なので決して首の動きを止めずに声を出すのがコツです。
※余裕があれば好きな曲の歌詞を「え」に置き換えて、このままの状態で歌ってみるのもオススメ。
💡補足
① ここで出す声は“すべて正解”です
この練習の目的は「舌のサポートが外れた状態の自分の発声が、どんな状態か知ること」です。
最初は、声が出せずに息だけ(無音)になったり、音色をコントロールできず不安定になることもあります。
でもそれは、今まで借りていた発声の補助輪が外れ、喉が本来の機能を使おうと向き合いはじめたサインなのです。
どうぞ焦らず、最初は超簡単に出せる音色と音域でやってみましょう👍️
②多少の「喉絞め」もOK!
練習中に、ちょっと喉が詰まったような「喉を締めた声(喉声)」が出てしまっても大丈夫です。
むしろ、いつも頼りすぎていた“舌のサポート”を減らしているので、体はいつものように喉に力を入れて声を出そうとしてもうまくいかず、「どうやって声を出せばいいんだ?」と声帯の方にちゃんと信号を送ろうとがんばります。
その結果、今まであまり使われていなかった“声帯を動かす感覚(神経)”が目覚めてきて、声のコントロールがどんどん上手くなっていきます。
ささやき声は最大限にリラックスした息漏れ状態で、
逆に地声は、雑~~なだらしない声を出すくらいがベストです。(エ゛エ゛ェ゛ーー゛!ヴェェ~~!
今日のまとめ
- 声が出しづらい理由 : 声帯以外の筋肉を使ってしまっている
- 目的:声帯を主役に戻す感覚を取り戻す
- トレーニング :舌を出して、いろんな声を出す/歌ってみる
- 補足:喉絞めは多少OK!無理のない範囲で
今回の舌のトレーニングと同じように、同じく手助けしすぎている顎や首の動きを発声から切り離していくと、余計な負荷もどんどん減って、声の自由度も更に上がっていきます。(その内容はまたどこかの機会で!